Interactive Performance
形と暴力が私をパレードする
姿の見えない人工生命 『音の海』 × 人間
Date: 6/28 - 30 , 2013
100min / 4 stages
Venue: YOKOHAMA OSANBASHI , CIQ PLAZA
(現在、ハッキングにより一部レイアウトが破損しています)
Interactive Performance
姿の見えない人工生命 『音の海』 × 人間
Date: 6/28 - 30 , 2013
100min / 4 stages
Venue: YOKOHAMA OSANBASHI , CIQ PLAZA
(現在、ハッキングにより一部レイアウトが破損しています)
Photo: Asaco Suzuki
2011年から2013年にかけて河村美雪は、物理学の研究者たちと協力して、人工生命としての自律的な音声システム「音の海」の開発に取り組んだ。
『形と暴力が私をパレードする』は、人工生命 「音の海」と「人間」が、音のハーモニーを生み出す即興セッションの公演である。最終的には音楽のセッションというだけではなく、多種多様なアート作品と織りなす即興的行為に仕上がった。これには、プロジェクト初期よりコンセプトを元に対話を重ねて協力してくださった音楽家の大谷能生氏をはじめとする多くの表現者の協力があった。
そのような意味においても、『形と暴力が私をパレードする』は、人工生命 「音の海」と「人間」と、そして人間の作る「アート」が関わり合う非常にユニークなセッションである。
「人工生命」 — Artificial Life —
~ 2010
河村美雪が過去作品を通して一貫して関心を寄せてきた「記憶と環境の関わり」というテーマをきっかけに、関心を同じくする物理学研究者の方との対話、協働が行われた。
2011-
人間の動きと関わることで音が進化していくシステムの構築を科学者たちと開始。
2013
人間と環境との関わりによって、空間のサウンドスケープを自律的に進化させるセンサー・サウンド・システム「音の海」を構築。「音の海」を使用した「形と暴力が私をパレードする」を公演。
「音の海」は、環境が進化する過程を音によって経験可能にする人工生命科学の知見に基づいた「進化」のプログラミング・サウンド・システムである。
センサーで読み取られた「人が環境と関わり合う時間」が、空間のあちこちに配置された音の生き残り方に作用する。
スタート地点では互いに無関係だったバラバラの音の断片が、生き残ったり死んだり、或いは現在の現場で鳴る音を引き込む過程で、やがて音楽のような複雑な組み合わせのレイヤーを構築する。空間内に存在しているものの動きに呼応して音の組み合わせ方が進化するこのシステムでは、人間とシステムの関係は単純なインタラクションに留まらず、予測不能で多様な音のハーモニーをつくり出す。
「音の海」には、二つの異なるゾーンがある。
「生のゾーン」
音の断片(サウンドファイル)が生まれてくる場所=サウンドボックスがたくさん空間内に浮いている(目には見えない)。
「生のゾーン」内では、人と触れ合うことで、サウンドボックスに生まれた音が鳴る。
人は、サウンドファイルが生き残る時間(再生される時間)をコントロールすることはできるが、どのサウンドボックスにどの音がどのタイミングで生まれてくるかをコントロールすることはできない。
「死のゾーン」
「生のゾーン」で人間に選ばれずに死んだサウンドファイルは、「死のゾーン」に移動する。
そこでは、ファイルは切り刻まれて短い数秒の断片となって、群れを成す。
音の群れは、鳥や虫のように自律的に(みずから)、仮想空間内を移動している。
人間の意思が介入できる音(生のゾーン)と、その選択の意思からこぼれ落ちることで誕生する自律的な群れが作る音(死のゾーン)、この二つの異なる誕生の仕組みを持った音の時間構造から生成されるハーモニーは、物質とのインタラクションを内包しつつも思いのままにはならずに進化し続ける世界の構造を可聴化しています。
詳細はこちらのサイト
(ただいま、ハッキングの被害にあい、メニューが二重に表示されています。調整中。)
「音の海」のセンサーの仕組みを含む詳細はこちらのPDFにあります
公演フライヤー
デザイン:小熊千佳子
コラージュ:河村美雪
「なぜ、私たちは約束しあったわけでもないのに、このような世界を、いつのまにか、共に、つくりあげているの?」
歴史の表舞台で「語られ得ることと、語られ得ずに消えていくことの関わり合い」が、どのように現在の私たちの、個人的、集合的な意識に影響しているのか?・・・・
この関心をもって、河村美雪は
「選択の連鎖と、選択からこぼれ落ちるものの相互作用が進化させるサウンドスケープ・音の海」と「人間」がセッションする公演を準備した。
この公演は、完成したパフォーマンス作品というよりも、出演してくださった出演者が「音の海」内部でどのように振る舞うかを考え、動くというその場その場のセッションである。
また、出演者 や「音の海」と実際に関わりあうことになる、音、声、オブジェ、映像(CG)、照明、生花なども、アーティストたちが河村との対話を元に考え、用意し、提供してくださった。
その思考錯誤のプロセスや、最終的に提供いただいた美しい映像、物、声、行為、言葉に深く感謝しています。
大谷能生: 音楽家・批評家 ・・・本企画 : 音楽・音
山崎阿弥: 声のアーティスト ・・・本企画 : 声
大久保愉伊: 映画監督 ・・・本企画 : 世界を再構築する行為者
長屋和彰: 俳優 ・・・本企画 : 言葉を発する行為者
毛利悠子: 美術家 ・・・本企画 : ゾーン内に配置され、移動される造形物
高橋啓祐: 映像作家(Nibroll) ・・・本企画 : CG
中山奈美: 舞台照明家 ・・・本企画 : 照明
江原理恵: ボタニカルデザイナー ・・・本企画 :花
波 (東京造形大学学生)
伊藤玄哉 / 神野紗貴子 / 小鷹菜摘 / 櫻井理恵 / 柴田真里 / 藤原天生 / 村田紗樹 /渡邊まな実
大海悠太: 研究者 / 丸山典宏: 研究者 / 小楠竜也: プログラマー
河村美雪 : アーティスト ・・・本企画 : テキスト、総合ディレクション
音響協力:近藤祥昭
大道具:鈴木康郎
制作アドヴァイザー:植松侑子
共催:音の海プロジェクトチーム、横浜港大さん橋国際客船ターミナル
協力:CSLAB(東京造形大学)、東京工芸大学・大海研究室、東京大学・池上研究室、早稲田大学・菊池研究室(実験段階 音声協力)、原游(実験段階 原画協力)、石山星亜良(sound distance text 2011 原案協力)
Photo by Asaco Suzuki